本作は史実に基づき、中国春秋戦国時代を描いた漫画「キングダム」(原泰久/集英社)の実写映画化作品です。私は中国史にも疎いし、原作も読んでないので、まっさらな状態で観ましたが、まずそれぞれのキャラクター設定が新鮮でした。個人的には吉沢亮、本郷奏多、大沢たかおが演じたキャラクターが特に印象に残りましたが、全体的に配役がすごくハマっているという点でも、物語にすんなり入っていけると思います。そして、山の民がマッチョ揃いなので、マッチョ好きのツボにもピタリ(笑)。
これほど人気のある漫画が実写映画化されるとなると、反発が起こることも少なくないですが、脚本には原作者の原泰久氏も参加して、原作にアレンジを施しているという点で、原作ファンへの配慮も感じます。また撮影の一部は、中国の浙江省にある象山影視城で行われたとのことで、本作の壮大なスケールは損なわれず、圧巻の映像を目にすることができます。アクションシーンもふんだんにあるので、見せ方によっては飽きてしまう可能性もありそうですが、ドラマ性が強く、ストーリー展開にスピード感があるので、134分という上映時間もあっという間です。正直なところ、この規模の映画になると、洋画大作にはまだまだ及ばないという印象がこれまでありましたが、本作を観て日本作品のスケールも追いついてきたという実感が湧きました。ヒットしたら続編も作られそうな勢いを感じます。
壮大なスケールで描かれるアクション超大作で、女性キャラクターも活躍するので、老若男女問わず楽しめます。カップルで観て気まずいシーンはなく、初デートで観ても問題ありません。登場するキャラクターが多く、日本人からすると覚えづらい名前もたくさん出てきますが、敵味方の構図はわかりやすいので、ざっくりとその括りがわかれば、ストーリーについていけないということもあまりないと思います。でも不安なら公式サイトで人物相関図を予習しておくと良いでしょう。
キッズやティーンの皆さんも大好きな世界観ではないでしょうか。カッコ良いキャラクターが登場するし、強い戦士達の戦いぶりは観ていて爽快です。痛々しいシーンが多少ありますが、苦痛になるような残虐な描写にはなっていないので、あまり心配しなくて大丈夫でしょう。
『キングダム』
2019年4月19日より全国公開
東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
©原泰久/集英社 ©2019映画「キングダム」製作委員会
TEXT by Myson